最新特集

帯時間を利用したモジュール英語活動

2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催決定や、文部科学省より公表された『グローバル化に対応した教育改革実施計画』などを受け、全国の小中高等学校では、英語教育全体の充実を目指し、 様々な取り組みが始まっています。
このうち特に小学校では、1回10分~15分程度の帯時間を利用したモジュール英語活動の実施が注目されています。
モジュール授業は、児童が登校後、1時間目が始まる前の時間や、昼休み後の5時間目が始まる前の時間を利用して行われることが多く、 英語活動以外では、計算ドリルや漢字ドリル、読書の時間として活用している学校が多くあります。

文部科学省の『グローバル化に対応した教育改革実施計画』では、5、6年生で週2回の英語授業+週3回程度、昼休み後の帯時間を利用して、外国語活動を行う提案が、例として挙げられています。 また、5、6年生では専科教員を積極的に活用し、“読むことや書くことも含めた初歩的な英語の運用能力を養う英語授業”を教科として実施することを目指すとしていますが、中学年では、学級担任を中心に行う “活動型”の時間を設け、英語を用いてコミュニケーションを図る楽しさを体験することで、“コミュニケーション能力の素地を養うこと”を目標としています。
更に同実施計画では、東京オリンピック・パラリンピックに向け、“児童生徒の英語による日本文化の発信、国際交流・ボランティア活動等の取組の強化”も謳われています。

mpiが小学校英語サポート事業に関わり約20年になりますが、その間、児童の個性、性格、クラスの雰囲気を上手にコントロールできる学級担任の指導力が、“活動型”の授業に大きな影響を与える様子を、 何度も目の当たりにしてきました。
学級担任が中心となることで、体験型の言語学習はよりダイナミックな内容となり、児童にとって、より効果的なものになります。帯時間の活用は、学級担任が中心となり英語活動を行う、よいきっかけになるでしょう。

指導者にとって負担の少ないスタイル
また15分であれば、担任の先生にとっても授業の流れをより一定のパターンで構成しやすく、主活動の中身を入れ替えるだけのシンプルな授業案で、児童にとって効果的な授業の実施が可能なことも注目すべき点です。  2011年より必修化された小学校外国語活動ですが、小学校でこれまで実施してこなかった英語授業について、その導入方法や効果的なレッスン方法について不安を感じながら、模索を続けている担任の先生が多くいらっしゃいます。 そんな中、帯時間での外国語活動の導入は、英語指導に不慣れな担任の先生にも負担なく実施できるメリットがあります。

苦手意識を生み出しにくい繰り返し方式
週のうち、比較的融通を利かせながら時間を確保することができる15分の帯時間は、45分授業を実施する前の低学年クラスの児童にとっても、比較的容易にスタートできる活動スタイルではないでしょうか。 15分という時間は、英語に慣れていない児童にとっても“集中力が持続しやすい”などの利点があります。
繰り返し定期的に学べる環境は、スタートで抵抗があった児童にとっても安心感が生まれやすく、英語に対して苦手意識を持つことがなくなるというメリットもあります。

繰り返し学習とは?
帯時間に外国語活動を実施する学校が増えてきた理由の一つとして、言語の習得においては通過方式ではなく、この“繰り返し”の学習が挙げられるでしょう。通常の授業よりも短い時間で行う帯時間は、“繰り返し”の学習に適しています。

その“繰り返し”の学習法を「スパイラルメソッド」といいます。

例えば1つの表現や文法の練習が終わると、その単元は“完了”とし、次の日は次の表現や文法に進むといったように、習ったことを次々と通過していく方法とは違い、習ったことを、その後も何度も何度も様々な場面で繰り返し使いながら、身につけていく方法です。 英語の音声がほとんど聞こえてこない環境にいる日本の子どもたちにとって、繰り返し英語に触れるということは、英語を習得する上で大きなポイントになります。

 

言語習得に大切なのはインプット量
言語習得には音声や文字のインプットが不可欠です。小学校低学年までの時期は、耳から音を吸収する力が特に発達しているため、この時期までにたくさんの音声インプットがされていると、その後の英語学習がより一層スムーズになります。
インプット量を増やし、定着させるという意味では、例えば週1回45分の授業を行う代わりに15分の授業を週3回行うなどの短期間サイクルでの英語活動の実施は、非常に有効的です。

公教育での英語活動の実施に、私たちは大きな意義を感じています。
例えばラジオ体操のように、定期的で繰り返し行われる英語活動を、小学校での生活に組み込むことは、児童にとって一生忘れない財産になるでしょう。
全校生徒が共通して同じ活動を行うことで、学年を超えての連帯感が生まれ、英語がかけがえのない思い出となることもあるでしょう。

このように、帯時間を有効活用した英語活動は大きな効果が期待されます。
mpiでは20年の小学校英語サポート事業の経験を活かし、今後も様々な側面から、担任の先生や児童をサポートしていきます。

歌やチャンツ、こどもの日常会話表現を繰り返し学ぶことで、英語のコミュニケーション能力の素地を養う!『-小学校英語- 英語モジュールDVD 1 』はこちらから

 

<参考>文部科学省「グローバル化に対応した英語教育改革実施計画」

投稿日: 2014年11月27日 12:04

月別アーカイブ